先日小児科の先生より、
『脳性麻痺のこどもは歯茎がはれぼったい子が多いんですよねー歯が埋もれている感じで。これってどうしてですか?』と質問がありました。
口腔内の環境が悪くて歯肉が腫れているのを除いて、歯茎がはれぼったい・歯肉増殖を招く薬として有名なものが3つあります。
①高血圧の薬:カルシウム拮抗薬(ニフェジピン)
②抗てんかん薬(フェニトイン)
③免疫抑制剤(シクロスポリン)
脳性麻痺の場合40%の割合でてんかんを発症することが多いようですので、こういった薬剤の影響が考えられますね。
現状では薬の作用はよく知られていますが、副作用については知られていないことも多いようです。
後々になって新たに見つかった副作用・・なんてこともあります。
新薬はたくさん研究されて日々増えています。
薬剤師のお友達が以前の部門で治験担当をしていたというので話を聞いてみると、副作用として発表されるものはあくまで治験の期間のうちでおこるものであって、長期投与については不明なことも多いようです。(※あくまで一部の意見です。治験すべてが当てはまるというわけではありません)
また、薬の副作用としておこることといえば、口腔乾燥症などもあります。
高齢者の中には多剤服用なさっているケースも多く、その影響で夜眠れない・ゆっくり休めない→入眠剤を服用していることも多いのではないでしょうか。
高齢者では薬を体で分解する(代謝)機能が落ちていることもあり、完全に薬が代謝されないうちにまた薬を服用して、という日常を過ごしている可能性もあります。
代謝ができていないと薬が効きすぎてしまい、ふらつき・転倒、転倒による打撲や骨折などと二次的にけがなどを起こしてしまうこともあります。
ふらつきがあるようなら主治医に相談して薬の変更や量の調整をお願いしてくださいね。
話はそれましたが、口腔乾燥がおこると歯周病菌や虫歯菌が増えます。
お口のなかの菌の数が増えると、誤嚥性肺炎といって食事などでむせるときに唾液と一緒に菌も肺の中へ落ちてしまい、それが原因で肺炎を引き起こす可能性もあります。
口腔内の環境が、痴呆などに影響があることもわかってきています。
お口の中のケアは後回しになりがちですが、しっかりケアしていきたいものですね。