近年、食物アレルギーと共に増えている金属アレルギー。
ファストファッションを代表するような手ごろなアクセサリーなどにもアレルギーの原因になりやすいニッケル・クロムなどの金属が使用されています。
また、歯科用の金属にもニッケルやクロムなどといった金属アレルギーを起こしやすい金属が含まれているものもあります(若い先生ではあまり積極的にニッケル合金を使っている方はいらっしゃらないのですが)
皮膚のようにバリア機能のない口腔内にアレルギーになりやすい金属が使用されているというのは恐ろしいことですね。
患者様のお口のなかを診察させていただいて驚くことが多々あります。
①水銀を含んだ金属であるアマルガムが使用されている方が多いこと
この金属は何かご存知ですか?とお話しするとみなさま知りません、とおっしゃいます。そして、昨年治療したばかりです、ともおっしゃる方も・・・。
15年以上前、私が学生だった頃に『この治療は過去のもので、現在は使用しているところはほとんどありません。ですから実習もデモンストレーションのみとさせていただきます』といわれていた治療です。
このアマルガムは歯を黒く変色させてしまいます。厄介なのは、再治療で除去するときに毒性が現れることがあるということです。
お口の中に入っていても、それを取り除く治療をしても影響が出る可能性があるようです。
アマルガムの治療というのは、即日で終了します。安価で早く治療が終わる、というのには落とし穴があるのですね。
②ニッケルクロム合金のかぶせもの・詰め物が氾濫している
いわゆる、銀歯とよばれるものにも金属の種類があります。金属はそれぞれ価値が異なりますので、安い合金であれば治療費も安く済ませることができます。
安くすませてあげよう、という主治医の想いがあるかは不明ですが、わざわざ金属アレルギーになりやすい金属を入れるのは恐ろしいことだと思います。
『こちらの技工物(技工士さんが作る詰め物やかぶせもの)は国内で作られているものですか?』と質問されることがありますが、ご安心ください。当院では奈良市内で個人で作っている技工士さんにお願いしておりますので、金属のちょろまかしなんかもありませんよ!
同じように見える銀の詰め物やかぶせもの、自分のお口の中にどんな金属がはいっているのかしっかり確認して、自分の安全は自分で守るように心がけてくださいね。